有痛性外脛骨
外脛骨とは舟状骨と呼ばれる足の内側にある過剰骨(普通はない余分な骨)の一種であり、15~20%の人に見られます。多くの場合は出っ張っているだけで、そこまで悪さはしないのですが、痛みが伴う場合、有痛性外脛骨へと発展していきます。
若年性スポーツ障害の一種であり、小学生~中学生の時期になりやすいです。
多くは捻挫によって発症しやすく、足の内側に痛みと骨の隆起が確認できます。
どんな子に多い?
有痛性外脛骨は主に偏平足の子に多いです。
偏平足は足が開帳(幅広くなる)しやすく、外脛骨が外にせり出しやすくなります。すると舟状骨に付着する後脛骨筋が引っ張られ、その隣に位置する外脛骨も牽引力が働き炎症を起こします。
また立つ際も偏平足の方はアーチが崩れているため、常に後脛骨筋に牽引力が働き、当然歩行時には更に負荷がかかるため、外脛骨の炎症が強く出てしまいます。
また性差として女性の方が比較的多く罹患しやすいです。
スポーツにおいてはサッカーやバスケットボール、野球、陸上、バレーボールなど様々な競技において多いですが、ダッシュやジャンプ、ストップ動作の多い種目は発症リスクが高いです。
外脛骨のタイプ
外脛骨は大きく分けて3つのタイプがあります。
Veitchの分類
- Type1 外脛骨が舟状骨から小さく分離して後脛骨筋腱の中に含まれている状態
- Type2 外脛骨が大きく舟状骨から分離し、舟状骨粗面と線維軟骨に結合し、後脛骨筋付着部の 一部となる
- Type3 外脛骨と舟状骨が癒合し、一つの骨となる。
この中でもType2が最も痛みを伴うことが多いです。
これは捻挫の際に外脛骨と舟状骨に外力が働き、亀裂が出てしまい発症してしまうと考えられています。
院長もType2を学生時代に患っており、捻挫癖がありかつ偏平足のため、有痛性外脛骨へと発展していました。
有痛性外脛骨の治療
症状が出ている場合は安静を支持し、初期の場合はアイシングによって炎症を落ち着かせます。
有痛性外脛骨はアーチの低下と足部のアライメント(関節の位置関係)に不具合があるため、一度足関節を整復します。
疼痛抑制のためにハイボルテージ、組織の回復促進と疼痛抑制のためにLIPUS(低出力超音波パルス療法)や微弱電流を用いて施術を行います。
またアーチを担保する筋肉を手技によるマッサージで緊張を解し、アーチを底上げさせるためにキネシオテーピングで固定をします。
有痛性外脛骨は一度治ったとしても、再発のリスクが高いスポーツ障害なので、治療だけでなく、日頃のケアがとても大切です。
特に足を酷使する子はふくらはぎや足底の筋肉だけでなく、その上の太ももや上半身の筋緊張が高いので、トータル的に体のケアをすることをお勧めします。
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