- 公開
【治療コラム】骨端線損傷
先日来院した小学生の患者さん。
サッカーの試合中にキーパーと接触し、転倒した時に左手首を負傷。
診てみると腫れはそこまで強くなく、痛みは伴うが動かすことが可能。
このような状態だと一見、手首の捻挫かな?と思いがちで、まぁ、ほっとけば治るでしょうと思いがち。
ですが、よくよく検査・触診をすると捻挫では痛めないところに圧痛を確認。
その圧痛点は手首の関節よりも指二本分離れたところにありました。
更に問診で手首を捻ると痛み、背屈(手の甲側へ動かす)と痛み、軸圧痛を確認。
橈骨遠位端部骨折の疑いがあり、近隣の整形外科に御高診を依頼。
診断は橈尺骨骨端線損傷と言う診断でした。
骨端線損傷とは何か。
子どもの骨には骨端線と呼ばれる箇所があり、その骨端線には成長軟骨板と呼ばれる組織があります。
この成長軟骨板ですが、骨が成長する時に伸びる箇所であり、同時に組織的に弱い箇所です。
レントゲンを見ると上の図のように骨が離れているように見えますが、その間に骨端成長軟骨があります。
骨端線損傷の場合、気を付けなければならないのは成長障害にあります。
先ほど言った通り、骨端成長軟骨板は骨の長さに寄与する箇所です。そこを損傷すると成長障害が起こる場合があります。
ソルターハリスの分類のタイプ3~タイプ5に関しては成長障害が引き起こされることがあるため、非常に大変です。
ですので、ただの捻挫だと思っても専門の医療機関でしっかりと診てもらうことが大切になります。
当院では骨折の患者さんが早期復帰できるためにLIPUS(低出力超音波パルス療法)がございます。
LIPUSを患部に当てることで骨の癒合期間を40%短縮させることが期待される論文もあるくらい、非常に骨折に対し効果的な治療法となります。
現に当院では骨折が4件あり、LIPUSを処置した患者さんの全員が骨のくっつきが早くなり、早期復帰できています。
その他にも肉離れや捻挫による靭帯損傷、野球肘などにも効果が期待でき、学生アスリートをはじめとする子どもたちや腱鞘炎の大人の方にも使っております。
スポーツで怪我してしまい、早く復帰したいと思うお子さんをお持ちの親御さんは一度当院までご連絡ください。
お力になれるかと思いますので、宜しくお願い致します。